西東京チェス選手権2026 レポート
① 基本情報
大会名:西東京チェス選手権2026
日時・会場:
今回は初めて、日本チェス連盟の公式戦として中野区役所の庁舎を使用させていただきました。建物はとても綺麗で、館内にはカフェやコンビニもあり、少し歩けばセントラルパークもある好立地です。昨年から例会ではよく使わせていただいており、「ぜひ地区予選でも使わせていただきたい」と強く思っていた会場です。2年ぶりに中野で全日本の地区予選を開催できることをとても嬉しく思っています。(西東京チェス選手権2024は中野ZEROで開催しました)
主催:中野チェスクラブ(単独開催)
中野区役所の庁舎は営利目的での利用が不可のため、クラブ単独開催を条件に会場をお借りすることができました。参加費は関東で行われる全国大会予選としては控えめな設定ですが、上記条件を踏まえた上での金額となっています。
形式:スイス式4ラウンド/持ち時間30分+30秒/手
気軽に1日で完結する大会の方が、主催側・選手側双方の負担が少ないと判断し、この形式を採用しました。2022年・2023年の西東京選手権と同じ形式に戻しています。
参加人数:
過去のカジュアル例会の参加状況を参考に、当初は小規模大会として企画していました。しかし、申し込み開始翌日に定員に達し、主催側としても驚いています。会場の都合上、大幅な増員は難しく、結果的に現在の形式・人数での開催となりました。
アービター体制:
大会準備を始めたタイミングで、クラブ副代表の佐藤がFIDEアービターセミナーに合格し、NA資格を取得され、Chief Arbiter(主審)を担当してくださることになりました。
佐藤は初めての主審ということもあり、心配でしたので王さんに急遽お願いすることになりました。王さんから以前、「アービターの経験を積んでみたい」との話をいただいていたので彼にお願いしたところ、引き受けていただきました。本当に突然のことだったのに、すぐに対応していただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。
私はTournament Directorを務めましたが、年末にジムで無理してスクワットを行った結果、椎間板ヘルニアを発症し、腰と右膝の痛みが数週間続きました。その間、痛み止めを飲みながら業務を行っていました。
② 開催の背景・目的
本大会の名称は「西東京選手権」とさせていただきました。もともとは立川チェスクラブが主催していた大会ですが、私は2022年から5年連続で運営に関わらせていただいています。今年、立川チェスクラブが開催しないと聞き、この大会を途絶えさせたくない、存続させる責任があると感じ、開催を決意しました。
準備自体は昨年11月から開始しました。会場抽選で1月18日が終日当選し、「これは運命だ」と感じ、副代表の横溝と佐藤の2名には早い段階で日程を押さえてもらいました。
会場確保後は区役所との調整に入りました。区役所の庁舎は営利利用ができないため、
・全日本選手権 西東京予選としての重要性
・区役所開催による地域への影響
・他地区予選の開催形態
などについて、担当の方と何度も電話で相談し、最終的に「中野チェスクラブ単独開催」を条件に庁舎をお借りできることになりました。
当初は国内レーティング1600以上の上級者向け大会を想定していましたが、連盟から「誰でも挑戦できる大会にしてほしい」という要望があり、オープン大会形式へ変更しました。
また、
・Chief Arbiter はNA資格必須
・全日本選手権の参加条件がFIDE日本国籍のみ
・シード獲得人数の端数切り捨て
など、今年からの新制度への対応も必要となり、12月中は連盟副理事の篠田さんと多くのやり取りを行いました。
支払い方法は、連盟が使用しているPeatixに合わせました。事前決済にすることで、
・参加者が慣れているシステム
・当日の現金管理が不要
・スタッフの負担軽減
といったメリットがあります。さらに、前日に1Rのペアリングができ、参加者が事前に対戦相手や席を確認できる点も大きな利点です。
③ 当日の様子
参加者の約3分の1がジュニアプレーヤーで、女性プレーヤーも4名ほど参加しており、幅広い層が集まる大会となりました。また、プレーヤーとして参加予定だった王さんが副審判に変更となったため、一時的に参加者数が奇数になりましたが、前日に急遽申し込みが入り、1Rのペアリングは偶数(強制Byeなし)で進めることができました。
試合会場に、申し込みがないアルゼンチン人の旅行者チェスプレーヤーが突然現れ、その対応を行いました。地区予選への参加には日本チェス連盟の年間会員である必要があることを説明したところ、「年会費5000円は高すぎる」とのコメントをされ、結局参加を諦めてもらいました。
しかし、1名が体調不良で欠場したため、結果的に参加者は再び奇数となり、2R以降で強制Byeが発生しました。これに関して、Byeになったジュニアプレーヤーの親御さんから、「なぜ息子よりレーティングが低いプレーヤーがペアリングされ、自分の息子がByeになったのか?」という質問を受け、親御さんやお子様の友達の保護者、さらにその子のインターナショナルマスターのコーチの前で、ペアリングの状況を説明することになり、かなり緊張しました。しかし最終的には納得していただき、Byeになったプレーヤーは近くで開催されていた工作体験に参加して待ち時間を過ごしてもらいました。
④ 大会結果
- 今回の大会はシード権の獲得を目的にしていたため、優勝や入賞はあまり重視されませんでした。そのため、賞金やトロフィーは準備しておらず、参加者の皆さんにはシード権獲得を主な目標としていただきました。
- シード獲得者は以下の4名でした。
- N04038339 Yamaguchi, Tosei
- N05191330 Kihara, Taira
- N07027298 Matsunaga, Toma
- N06957904 Noda, Ryo (地元枠)
- 結果として、嬉しかった点は「地元枠」で参加されたプレーヤー全員が上位1/3でフィニッシュしたことでした。また、「地元枠」のプレーヤー同士が途中で対戦し、潰し合いにならなかったことは、ペアリング的にも幸いでした。シードされた4名は皆、素晴らしいプレーを見せており、ぜひ全国大会でも活躍していただきたいと考えています。
- シード権を獲得した松永冬馬君と野田龍君は、2023年に中野チェスクラブの子供チームの一員として、2023チームチェス選手権に参加していました。2人とも、今回全日本チェス選手権の出場枠を獲得し、非常に嬉しく思います。また、子供チームのメンバーである前田君も予選に参加し、4試合全てでレーティングが上の相手と対戦し、勝ち越しているので、確実に力をつけていることが分かります。
⑤ 運営面の振り返り
- 今回の大会では、試合が長引き、元々のスケジュールよりも大幅に遅延してしまいました。15:00に始まる予定だった3Rが15:35に、17:00に始まる予定だった4Rが17:45に開始されました。「ゲーム開始時間が予定より遅れること」がどれだけ選手に負担をかけるかを十分に理解しています。では、なぜゲームが長引いたのでしょうか?その理由は、プレーヤーのレベルが上がったことです。今回の大会要項は規模や持ち時間が似ていたため、3年前に開催した大会を参考にして作成しました。しかし、その時はレーティングが高いプレーヤーと低めのプレーヤーが対戦すると、早く決着がつくことが多かったのです。ところが、ここ数年でレーティングが控えめでも実力のあるプレーヤーが増え、レーティング差が200ポイント以上ある試合でも接戦になることが多くなりました。その結果、超手数のエンドゲームに突入することが多く、試合時間が長くなったのです。本来、試合時間は10:00、13:00、15:00、17:00と分かりやすくしたかったのですが、今後、似たような大会を開催する際には、開始時間の見直しをしていきたいと考えています。
- 試合が長引いた結果、もう少し休憩時間を確保したかったと感じていますが、スケジュールがかなり詰まっていたため、結局5分しか休憩をお渡しできなかったことについて申し訳なく思っています。自分もプレーヤーとして同じ経験をしているので、プレーヤー側の負担はよく理解しています。1日制で4Rのトーナメントだと、どうしてもこういった状況になってしまいますね。
- 今回は閉会式を実施しなかったので、運営面での負担が軽減されました。ですが、プレーヤーの皆さんはこの点についてどう感じられたのでしょうか?(ぜひコメントください!)閉会式を行わない代わりに、4Rの開始時に「終わりの挨拶」を私(Tournament Director)と佐藤(Chief Arbiter)からさせていただく形にしました。
- プレーヤーからは「トイレが近くてよかった」というコメントをいただきました。確かに、参加者の中には鞄にペットボトルの飲み物を4本も持ち歩いている方もおり、飲む量が多いとどうしてもトイレの利用が増えますね。自分も緊張すると水をたくさん飲んでしまうタイプなので、その気持ちはよくわかります。
⑥ 参加者・関係者への感謝
-
参加者: 今回の大会は、今までの大会や例会の中でも最もスムーズに進行できたと感じています。大きなもめ事もなく、忘れ物をする人もなく、ペットボトルのゴミ箱があふれることもなく(もしかして、スタッフがこっそり対応していただいたのか!?)無事に終了しました。TDとして言わせていただければ、最高の参加者の皆さまでした!本当にありがとうございました

-
アービター: 二人とも初めての経験ながら、非常に頑張っていただきました。経験のためとはいえ、佐藤君には「チーフアービターなんだから」と(プレーヤー数を増やすかなど)いろいろな判断やラウンド開始前の「CA(チーフアービター)の挨拶」など、無茶ぶりをしてしまいましたが、きっちりとこなしてくれました。王さんに関しては、土壇場でアービターを引き受けていただき、本当に感謝の限りです。
-
会場: 大会の会場として中野区役所を利用させていただき、感謝しております。こじんまりとした部屋ではありましたが、モダンな作りのおかげで圧迫感もなく、おしゃれな環境で大会を提供できたと思います。
-
連盟: 事前の相談にのっていただき、ありがとうございました。毎度のことですが、私たちもプレーヤーが楽しめる大会をたくさん開催し、連盟の会員を増やすことに貢献できれば幸いです。
-
運営スタッフ: 裏方として加わっていただいた横溝とIさんの小さなお気遣いがあったおかげで、「棋譜用紙がない」などのハプニングを避けることができました。二人のサポートがあったおかげで、大会を無事に終えることができました。
⑦ 今後について
-
次回大会の予定
次回大会は春頃(3月・4月)を予定しています。何かイベントを企画しており、他の公認クラブともコラボレーション開催できればと思っています。
例会・イベント案内
今後はカジュアルゲームの例会は開催せず、チェス連盟の公式戦の運営に注力していく予定ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
本大会について
今回の大会では「赤羽チェスクラブ」や「Divine Chess Gurukul」の方々にもご参加いただき、ありがとうございました。こちらの団体も全日本チェス選手権の地区予選を開催する予定ですので、私もプレーヤーとしてその盛り上げに協力できれば嬉しいです!次回は私がプレーする番ですね!
NAセミナーについて
もし次回、NAセミナーが開催されることがあれば、参加を前向きに検討したいと思います。今度は私がCA(チーフアービター)として担当する大会に、皆さんもプレーしに来てください!本当にありがとうございました。
コメント
コメントを投稿